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品種

カトゥアイ — 実が落ちない、風雨に強い実務家

2026-07-09

カトゥアイ(Catuai)は、研究機関が明確な目的を持って作り出した品種です。自然の偶然に頼らず、必要な性質を狙って組み合わせた——その意味で近代的な育種の産物といえます。

二十年以上をかけた交配

ブラジルのカンピーナス農業研究所(IAC)が一九四〇年代末から取り組んだ交配事業から生まれました。片親はムンドノーボ(Mundo Novo、ティピカ系のスマトラとブルボンの自然交配種)、もう一方はカトゥーラの黄色い実をつける系統です。

狙いは明快でした。ムンドノーボの高収量と強健さ、カトゥーラの矮性。この二つを一つの木にまとめること。選抜を繰り返し、正式にリリースされたのは一九七〇年代に入ってからです。名の由来はグアラニ語の「とても良い」を意味する言葉とされています。

実が落ちにくいという長所

カトゥアイの実務上の最大の美点は、完熟しても実が枝から落ちにくいことです。地味に聞こえますが、これは重要な性質です。強風や豪雨が多い地域では、収穫前に実が地面に落ちてしまう損失が無視できません。カトゥアイはこのリスクを大きく減らします。

樹形はカトゥーラ譲りのコンパクトさで、密植が可能。収量も高い。ブラジルはもちろん、中米各国、そしてハワイなど気象条件の厳しい産地でも広く植えられています。実の色によりレッドカトゥアイ、イエローカトゥアイと呼び分けられます。

評価の実際

カップの評価については、率直に言えば「並外れて優れているわけではない」というのが一般的な見方です。クリーンでバランスは良いものの、ゲイシャやパカマラのような突出した個性は持ちません。

ただしこれは品種の限界というより、位置づけの問題です。カトゥアイは農園経営を成り立たせるための現実的な選択肢として設計されました。高標高で収量を抑え、丁寧に精製されたカトゥアイは、十分に高い評価を受けています。

支える品種という存在

コーヒーの話題は華やかな品種に集まりがちですが、産地の経済を実際に支えているのはカトゥアイのような品種です。安定して収穫でき、天候に耐え、一定の品質を保つ。この地味な信頼性がなければ、農園は挑戦的な品種を試す余力すら持てません。

畑の中で役割を分担しているという視点で見ると、品種表の読み方が少し変わってきます。

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